複雑化する決済方法と注意すべきポイント

複雑化する決済方法と注意すべきポイント

日本でも支払い時のキャッシュレス化が進むにつれ、決済方法が多様化してきました。
昔からあるカードを利用するタイプのキャッシュレス決済の他に、スマートフォンを利用した決済方法など選択肢は複雑化してきています。

選択肢が増える事は私たちにとって自分に合ったものを選択する機会を与えてくれますが、その分しっかりと利用時に注意するポイントを自信で把握して利用する必要があります。
ここでは、多様化する決済方法の代表的なものと注意点をご案内致します。

1 国際カード(MasuterCard、JCB、VISA)

本来MasterCardやVISAやJCBなどの国際カードはクレジットカードのみでした。
ですが現在では銀行が発行しているデビットカードや国際プリペイドカード(事前にチャージ)まで用途が広がってきています。

クレジットカードは原則として、カード発行には審査が必要になっていますが、国際プリペイドカードの発行には審査が必要ありません。年齢制限があるものが多いですが中には10代前半から持つことのできるカードもあります。

国際デビットカードも年齢制限は設けられていますが、基本的には銀行口座を持っている人であればどなたでも持つことが可能です。

国際カード

2 ギフトサービス・プリペイドカード

ギフトサービスやプリペイドカードは、スマートフォンの有料コンテンツの課金サービスや、インターネット上での買い物時の支払いに主に使われます。
有名なものでいうと、AmazonギフトカードやiTunesギフトカードやGoogle Playギフトなどです。
AmazonギフトカードはAmazonで買い物をした際の決済に利用できますし、iTunesギフトカードはiTunesでの買い物に利用できます。

基本的にはギフトカードの裏面に書かれているシリアルコードを入力することによって、ギフトカードに設定されている金額までの利用が可能となっています。
今ではコンビニなどで簡単に誰でも購入することができます。
すぐに購入できるうえ金額は選ぶことができ、多くの場合2,000円から数万円のものも存在します。

コンビニエンスストアで購入する際は、陳列されているカードをレジに持っていくタイプと、マルチメディア端末を操作して申し込むタイプとあります。
マルチメディアから印刷されたバーコードを持って設定された時間内にレジで精算をするとシリアルコードを手に入れることができます。

その他の入手方法として、AmazonギフトカードやiTunesカードなどはインターネット上で入手することも可能となっています。
更にAmazonギフトカードはネット上で任意の相手に送ることも可能となっており、シリアルコードをメールで送り受け取った相手がそのコードを利用して決済することが可能です。

プリペイドカードは、誰でもどこでも簡単に手に入れることが可能なうえ、審査や個人情報の登録の必要がないために詐欺などに悪用されることが多く問題となっています。

 

3 QRコード決済

QRコードでの決済はまず多くの場合専用のアプリをダウンロードする必要があります。
そのアプリとクレジットカードや銀行口座を紐づけて利用するものが多いです。
店頭で決済をする際に、アプリを立ち上げ提示されたバーコードをスマホアプリで読み取り決済をするか、逆に自らのバーコードを読み取らせて決済するタイプのものもあります。QRコード決済

一部のサービスは店頭の支払いだけでなく、現金のように個人間での送金のやり取りも可能となっています。
現在最も普及しているバーコードの方式はデンソーウェーブ社が規格を定めた「QRコード」方式です。
ですので、決済サービスの中でバーコードを利用したものをまとめて「QRコード決済」と呼ばれています。

正確には「コード決済」が正しく、QRコード以外の二次元バーコード(Amazon Pay)を用いるものに関しては、コード決済が正しい呼び方となっています。

QRコードは主に二つの利用方法があります。
店舗で決済をする際に利用するか、個人間で送金のために利用するかです。
店舗での利用時には二つの方法が主な決済方法となります。

① 自身のスマホに表示されているバーコードを、店舗のバーコードリーダーに読み取らせて決済をする。
② 自身のスマホのカメラ機能を使って、店舗のバーコードを読み取って決済をする。

店頭にバーコードリーダーがあるようなコンビニエンスストアでは、自分のバーコードを提示して読み取って貰っての決済が比較的多くなっています。
逆にバーコードリーダーの設備を持っていない小売店などでは、店舗のバーコードを読み取っての決済が多くなっています。

バーコード決済専用のアプリを銀行口座と紐づけて利用するとご説明しましたが、その他にも幾つか代金の支払い方法があります。

・アプリに事前にお金をチャージして、チャージされた金額だけを利用できる
・ポイント付与を受けたポイントを利用して支払う
・クレジットカードなどの国際カードを登録して支払う

上記のように選択肢はいくつかありますが、アプリやコード決済サービスによって変わりますので確認して自分で選択しましょう。

店頭での決済の他に「送金」にもコード決済は利用が出来ます。
コード決済の中にはPayPayやLINE Payなど、送金に利用できるものがあります。

送金したい相手のスマホのコードを自信のスマホで読み取って送金するものが多く使われていて、離れた場所にいる相手に送金する際はメールアドレスの指定などで送金することも可能となっています。
既に数年前からコード決済は幾つかのサービスが開始されており年々数が増えて来ています。

2018年の暮れにPayPayなどがキャッシュバックキャンペーンを大々的に行ったことは当時大きな話題となりました。

 

4 タッチ式の決済

タッチ式の決済で一番わかりやすいものは、Suicaなど電車に乗る際に利用されるICカードです。
ICチップが内蔵されたカードにお金をチャージして決済時に利用します。
その方式をそのままスマホに転用して、スマホにICチップが内臓されているものも多くあります。
決済時にはスマホを店側の読み取り機にタッチして認識させ決済を完了します。
iPhone,Google Playともに専用のアプリが用意されており、交通系ICカードを登録することも可能です。
中にはタッチ決済に対応していないスマートフォンもあるので確認しましょう。自動改札

それぞれの決済方法の規制

「クレジットカード」は利用してから代金を支払うまでに2か月の期間がある後払いは規制の対象となります。
イシュアー(発行者)には利用者が発行の申し込みをした際に、申込者の収入調査や支払い停止の抗弁の対応などを「割賦販売法」で義務付けられます。

「国際デビットカード」の発行者は銀行になります。
ですので、国際デビットカードの利用者は銀行の口座を持っている人限定となっています。
口座残高から実質前払いをするため、決済は口座の残高から振替で代金を支払うものと同じ扱いとなります。
そのため「国際デビットカード」は銀行法の規制を受けています。

「国際プリペイドカード」には資金移動型と前払い型の二つがあります。
発行者は資金移動型が「資金移動業者」で、前払型が「前払い式支払手段発行者」となっています。
国際プリペイドカードの多くは前払型が主流となっており、この前払型の特徴は残高を現金で引き出すことが禁止されているという点です。

資金移動型の場合は現金で払い戻しができるものもありますが、海外のATMを利用しなければなりません。

「前払式支払手段」にあたるギフト・プリペイドサービスは、資金決済法という規制を受けています。
iTunesカードやAmazonギフト券などの残高は発行者のサーバーで管理され「サーバー型」と呼ばれています。

前払式支払手段発行者は、苦情処理体制の設備や未使用残高の一部供託などが義務付けられており、金融庁への登録が必要となっています。
ギフト・プリペイドの利用で起きたトラブルに関しては、先に代金を支払っているために発行者に取引のキャンセルを依頼するかギフトの販売者に返金を求める形になります。

原則として、前払式支払手段発行者は資金決済法により残高を現金で払い戻すことは禁止されています。
ですので、何かしらのトラブルで発行者が対応する際は現金での返金では無く残高で戻すことが一般的です。

キャッシュレスサービスの注意点

それぞれキャッシュレスサービスには注意するポイントがあります。
安全に利用するためにも確認していきましょう。

①国際カード

自分のカードを他人に悪用されるという被害が発生しています。
高齢者の方のしばらくの間使われていないカードの情報などが漏えいし悪用されるケースもすくなくありません。

カードのデータを読み取られて知らない間に悪用されるというケースもあります。
国際カードの保管や管理はしっかりと自分で管理する必要があります。
他人に簡単に触れられる場所に管理することは避けてください、それが親しい知人や家族でもです。

管理が不十分だと、第三者に悪用されたとしても返金などの対応を受けられない可能性があるので注意しましょう。
また1年以上使われていないカードは、不必要であれば解約しておくことをお勧めいたします。

②スマホ決済

最近では、キャッシュバックや割引の宣伝の効果で、スマホ決済を利用する人が急増しています。
お得なサービスを利用することは利用者として当然の選択ですので問題はありません。
ですが、スマホの知識が不十分のままお得なサービスを目当てにスマホ決済を選択するとトラブルの原因となってしまう可能性もあります。

スマホ決済を利用する際は十分なスマホの知識をもって利用をするか、もしくは家族などすぐに質問できる人がいるかどうかも大事なポイントです。

スマホ決済

③ギフトサービス・プリベイドカード

シリアルコードをアカウントに登録前に第三者に知られてしまうと悪用されてしまう可能性があります。
そういった被害を避けるためにも、AmazonギフトやGoogle PlayギフトやiTunesギフトなどは速やかにアカウントに登録を済ませましょう。

また、これらのプリペイド方式のものは現金での払い戻しを原則禁止しているので、トラブルがあったとしても現金での返金は受けることができません。
全てのものに共通していえることですが、コードやカードそのものの管理は自信の責任でしっかりと行いましょう。

④共通して注意するべきポイント

キャッシュレスサービスを利用するにあたって、今日注して注意する必要があるポイントをご説明致します。
当然のことですが、申込や利用をする前には必ず利用規約に目を通してしっかりと理解しましょう。

仮に自分自身に悪意がなかったとしても、間違った利用方法や禁止事項などを行ってしまうと、不正利用とみなされてしまう場合もあり得ます。
最悪の場合、以後のサービスの停止などの処置がなされる場合もありますので、十分注意しましょう。

更に大切なことは、使わないカードや利用しないサービスは申し込み自体をしないということです。
今入会なら5000ポイントプレゼントなどのポイントキャンペーンや、キャッシュバックサービスはいつの時代も行われています。

そのサービスを目当てに普段利用しないカードなどを複数所持してしまうと、トラブルの原因になりかねません。
本当に必要なサービスにだけ登録することをお勧めいたします。